フォーラム福岡

福岡の近未来図

福岡の資産マップ

2005年2月20日発行の創刊3号より

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文化・芸術・エンターテインメントから教育や経済などさまざまな分野で福岡が持っている魅力は、都市の「資産」と言い換えることができる。資産は活用することで新しい価値を生み、運用することで豊かになっていく。まずは、資産状況を把握するところからスタートしよう。

ひと言で福岡の魅力、といっても、その内容はあらゆる分野で多岐にわたっている。それらの魅力がばらばらだと、都市の資産として活用・運用していくのはむつかしい。そこで、整理したのが、次の「福岡の資産マップ」だ。

資産マップ

中心に「住・都市インフラ」を置いて、タテ軸に歴史・伝統から新しいトレンド、ヨコ軸に遊びからビジネス・学びを引いて、このマップの中に福岡の魅力=資産の各要素を配置してみた。空港や港湾、道路などの都市インフラや住環境が整備されることで、各要素の成長や変化と融合して都市の資産価値が総合的に上がっていく、というイメージだ。

右上のエリアには、新しい産業の振興や、それを支える大学や専門学校が配置されている。左上には大名地区の若者文化や百貨店を中心とした商業集積。中洲の歓楽街もこのエリアに入る。

左下には祭りや大衆演劇、さらに野球やサッカー、大相撲といったプロスポーツ観戦などのエンターテインメントがあり、右下にはそうした伝統や歴史を学ぶ博物館や美術館が入る。アジアとの交流の歴史もこのエリアに配置してみた。

こうしてみると、マップのほぼ全域になんらかの要素が配置され、それぞれがタテ・ヨコに他の要素と連携したり接点があったりすることがわかる。

また、要素として配置はされていても、必ずしもその魅力を十分に発揮できていない項目もある。それらをうまく活用するためのプランづくりにおいても、このマップで見られるタテ・ヨコの連携はヒントとなるはずだ。

資産価値の高いところは?

それでは、資産価値の高いところはどこか?いくつかのデータで各分野の状況を見てみよう。

【文化・芸術関連】

博多の森

資産マップの左下のエリアにあたる、文化・芸術・エンターテインメン ト分野は、福岡に暮らす上で特に充実した資産状況にある分野だといえる。

目立つところでは、年間300万人を超える観客を動員するプロ野球・ホークス戦を筆頭とするプロスポーツの観戦だが、美術館や博物館、コンサートや演劇も充実している。この10年で福岡シンフォニーホールや博多座、福岡シティ劇場などが整備され、東京と変わらない本格的な舞台に接することができるようになったことが、さまざまな分野でファンの拡大に貢献している。

入場者数

また、福岡在住アーティストの数は、人口1000人あたり6・49人で、政令市の中では関東圏を除けば京都に次いで2番目の多さだ。

アーティスト数

【大学関係】

福岡市内の大学に在籍している学生数は12大学で7万8484人(2002年)。政令市の中では東京都区部 、京都、横浜についで4番目。人口1000人あたりだと57人で、これは88人の京都に次いで2番目の多さだ。

学生数

留学生の数も2000人を超えている。その7割が中国からで、年々加している。

留学生数 留学生数

大学が地域に果たす役割の重要なものとしては、産学連携がある。全国の大学が積極的に取り組む中で、九州大学も件数を着実に伸ばしている。九大ではその推進母体として「知的財産本部」を設立し、技術開発や起業支援、産業デザインなど幅広い分野での産学連携を組織的にサポートする体制を整えている。また、九州経済産業局でも九州地域産学官交流センターを置いて、ニーズ対応型の産学連携のマッチングを推進するなど、行政の推進体制も手厚い。

共同研究数

システムLSI関連やコールセンターが多数進出

【産業立地】

空港の近さや物流・港湾機能の充実により、福岡は企業立地の面でも全国の企業から注目されている。近年の動きの中で特筆すべきはシステムLSI関連だ。家電や自動車なども含めてすべてのIT機器の中心となるシステムLSIについては、福岡県・市、経済界が一体になって、2001年から「シリコンシーベルト福岡プロジェクト」を推進しており、これまで23社の関連企業が進出している。

LSI関連企業

また、その他にもソフトバンクBBやジャパネットたかた、ベルシステム24などが相次いでコールセンターを設置しているのも特徴的だ。

また、県レベルではトヨタ自動車関連が活発。九州全体がカーアイランド、シリコンアイランド化していく中で、福岡がその中核的な役割を担っていくこととなる。

【住宅・都市インフラ】

住宅価格は、1平方メートルあたりの工事費では、福岡市が約14万円(2002年着工物件)。これは政令市の中では札幌についで安い。

一方、同じ年の着工物件の床面積は、福岡は平均70・12平方メートル。これは13の政令市の中で最も狭い。その理由は、マンションが大量に供給されているからだ。戸建住宅のみだと1戸平均124・76平方メートルで、これは6番目の広さ。しかし、福岡の場合は着工戸数約1万7000戸のうち86%が共同住宅となっているため、全体の平均値が狭くなっているようだ。

住宅比較

都市インフラについては、本特集では地下鉄七隈線がバリアフリー・ユニバーサルデザインの面で先進的であることを紹介しているが、街全体ではどうか。

公共の建物や施設については、1999年に制定された「福岡市福祉のまちづくり条例」で、こまかな施設整備の基準が設けられており、交通機関や公民館などのバリアフリー化が進んでいる。

この条例は民間の建築物についても適用され、不特定多数の人が利用する商業施設やマンション、大規模なオフィスビルについては、新設や改修の時に申請に基づいて福岡市が審査し、昨年11月末までで2019件に「適合書」を交付している。

また、道路整備も同様に条例に沿ってバリアフリー化が進められており、例えば交差点などで歩道と車道の段差を小さくする改修工事は、2002年度末までに142キロのエリアで終了している 。中でも主要駅周辺については重点整備されることになっているが、重点エリア内約33キロに対して、03年度末ではまだ5・5キロ。早期の完了が待たれるところだ。

犯罪件数ワースト3、交通事故はワースト1

【安全・防犯】

最後に、資産マップ上にはない項目ながら、市民生活の上で最も重要である「安全・防犯」ではどうか。

福岡市内の犯罪の発生状況は、2003年が5万3507件で、政令市の中では大阪名古屋、横浜についで4番目の多さ。1000人あたりでは38・76件となり、こちらはワースト3の多さとなっている。

刑法犯認知件数

件数では2002年の5万7578件から約4000件減少しているものの、1989年(平成元年)の3万1853件からは1・7倍に増えているという、厳しい現実がある。

交通事故の発生件数は、前号でも紹介した通り、人口1000人あたり10・87回(2002年)で、13の政令市の中で唯一フタ桁台のワーストワン。

都市の資産を活用する一方で、安全・防犯面での対策を同時に推し進める必要がありそうだ。(宮崎仁士)

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※当ページの内容は、2005年2月20日発行の創刊3号に掲載されたものです。

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