フォーラム福岡

福岡の近未来図

アジアとの関係を考えるキーワード
『韓流ブーム』『留学生』『中華シティ』…

2005年3月31日発行の創刊4号より

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ワンポイントビュー

折からの『韓流ブーム』に加え、急増するアジアからの『留学生』、そして構想として打ち出された『中華シティ』……。福岡/九州は大陸に近いという地理的要因からもアジアと長年に渡り、アジアと深い関係を築き上げてきた。これからのアジアとの関係について、3つのキーワードをもとに考えてみる。

韓流ブーム
福岡という風土が育てたアジアとのつながり
ーー韓流ブーム、福岡アジア映画祭、アジアマンス

大陸に近い地理が生んだ交流の歴史がある。歴史が培った風土がある。風土を踏まえた行政や民間の取り組みがある。文化でアジアとつながる福岡の今とこれからを見る。

観光客に見る韓流ブーム - 福岡にはブーム以前の下地

韓国テレビドラマ「冬のソナタ」に始まる韓流ブームは、ドラマや映画を観るだけでなく、撮影地を訪れたり関連のツアーに参加するなど、韓国への観光客が増加、現在も衰えてはいない。

韓国観光公社の李鐘薫支社長によると 、日本から韓国への観光客数は、2003年の180万人に比べ、ブームが起こった04年は244万人と36%増えた。特に顕著なのが男女比で、03年は63:37だったのが、昨年は57:43、今年1月は50:50になった。韓国を訪れた女性の観光客は、実に70%も増えている。

「『冬ソナ』のロケ地を訪れた観光客もおよそ3倍、来日する俳優たちへの歓迎振りも熱狂的で、韓国の大衆文化に対する関心はとても高まっています。観光公社のホームページのヒット数や主催する『韓国ウィーク』などのイベントにも、かつてないほどの反応があります。ドラマがきっかけにはなりましたが、文化は一方的なものでは長続きしません。交流の深さや規模が大事です。ブームがさまざまな分野での交流につながっていけばよいと思っています」、と李支社長は話す。

また、「福岡、九州は、ブーム以前から韓国とのつながりが強く、人口比でいうと観光面での交流はほかの地域の2倍」だそうだが 、全国的な韓流ブーム以外の韓国やアジアの映画に対しても、福岡という地域性はあるのだろうか。

東京や関西にも上映館がある日活ミニシアター系ロードショー館、シネリーブル博多駅1・2の川原智裕支配人は、「福岡のロケーションとして、地理的にも近く、映画祭も開かれており、ほかの地域に比べるとアジア映画に対する敷居も低くて、親しみやすいということはあります。それにマスコミが取り上げる機会も多いことから話題として広がりやすい、結果として福岡でアジア映画は売りやすい、とも言えます。アジアにいっぱいあるおもしろい映画を、ブームに関係なく紹介できるのは、福岡の特色と言えるかもしれませんね」と話す。

福岡でアジア映画祭 - 認知度ゼロからのスタート

「福岡アジア映画祭を始めて最初の5、6年は本当に観客が少なかった。一部のお年寄りが、台湾や中国の映画を観に来るくらいで、若い人はほとんど来なかった。アジア映画というと、古くて暗いというイメージがあったんですね。私たちは、有名な監督や俳優の映画ではなく、若い監督がつくった、アジアの若い人たちが観ている映画を紹介しようと続けてきて、次第に映画祭にも若い人たちが来てくれるようになりました」。

今年で19年目を迎える「福岡アジア映画祭」実行委員会の前田秀一郎さんは、こう話す。同映画祭は、基金へのカンパと、約100人のボランティアによって企画・運営される。上映作品は、釜山や香港の映画祭に出かけて直接交渉する。映画祭を始めた頃は、すべて東京中心で、東京の業者が輸入し、字幕をつくって福岡に送るという、手間も料金もかかるシステムだった。直接交渉しようにも信用もなく、契約書も書けなかったという。

「でも、日本の映画祭としては一番乗りだったので、日本にも出演者に関係なく、いい作品を紹介しようという人間が出てきたんだ、と歓迎されました。確かにどうしても福岡ではできないこともありましたが、直接のルートができて、今では東京に依頼することは100%ない。翻訳や通訳もボランティアで、プロになった人も多く、福岡でやった後で、ほかから依頼が来ることもあります。映画祭とともに、かかわったボランティアも人材として育つという環境が生まれています」。

前田さんは韓流ブームをどう見ているのだろうか。

「香港映画やインド映画など、映画の流行は今までもありました。今回の韓流は私たちも流れとしては押さえますが、映画会社が儲けを優先させて、出来や内容は二の次、という状況に陥る可能性もありますね。そこは観客にちゃんと判断してもらいたい。映画祭では、ここでしか紹介できないもの、ここでやらないと日本で一生紹介されないよな、というような監督の作品などを取り上げています。そして、福岡でやったことが、次へのきっかけになれたらいいですね。さらに、福岡でしかできないことを、もっともっとしかけていきたい」。

今年の福岡アジア映画祭はボランティアの作業がまだ始まったばかり。会期は7月1日から10日まで。韓国映画も少し多めに紹介される。

市民の理解認知を得てアジアマンスも新方向へ

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アジア太平洋フェスティバル

1989年に半年間にわたって開催された「アジア太平洋博覧会〜よかトピア」。その取り組みと実績を一過性に終わらせることなく、福岡市の財産とすべくスタートした「アジアマンス」も、今年で16回目。毎年8月末から10月にかけて、アジアに対する市民の理解を深め、友好交流促進を目的に幅広いイベントを展開する。

「アジア太平洋フェスティバル」「アジアフォーカス・福岡映画祭」「福岡アジア文化賞」のほか、市民も含めた各種団体による主催事業を実施する。03年には過去最高の94事業、約108万人の来場者があった。

福岡市経済振興局コンベンション課主査アジアマンス推進担当の副島信次さんは、「いろんなやり方があったと思いますが、福岡市の場合は行政と市民団体によるイベントの集合体です。10回目くらいまでは、行政主導で理解と認知を求めた時期でした。今は、イベントも交流や体験、ワークショップなど、内容がステップアップし、質的にも流れが変わってきたように感じますね」と話す。

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アジア太平洋フェスティバル

流れが変わってきたのは、イベントの内容や質だけではない。昨年は、市内のアジア飲食店54店が初めて参加し、アジアマンス限定メニューを携えて、抽選で海外旅行などが当たるスタンプラリーを実施した。メニューや各店を紹介するガイドマップも作成して、市民や観光客の好評を得た。

「どちらかというと遠目に見ていたところのあった民間企業の協賛をいただき、互いにPRし合ってメリットが出せる協力関係、福岡の街全体が参加するスタイルができ始めたのではないでしょうか。

市民向けのイベントの枠を出ていなかったアジアマンスですが、企業も巻き込んで、市外・国外からの観光客を意識したものへと変わってきています。昨年度は、ビジターズ・インダストリー(集客産業)としてのアジアマンスの推進にも力を入れ、今後は市民の皆さんにはもちろん、より多くの観光客の方々にも楽しんでいただける事業へと展開していく予定です」。

担当も今年、コンベンション課から観光課へと移り、さらに広くいろんな関係方面へのアピールが期待される。一方で、アジア側からの反応はというと、姉妹都市での認知度はそれなりにあるが、ほかの都市ではほとんど知られていないというのが現状だそうだ。ただ、韓国や中国のアーティストからイベント参加や出演希望の問い合わせが増え、アジアマンスを一つの場としてアーティスト同士の交流が見られるなど、少しずつだがアジアに向けた輪も広がりが出てきているのではないかという。

アジアとの独自のつながりの歴史と背景を持つ福岡が、さらに街の文化的な財産としてアジアを発信していくには、産官学、市民団体や個人それぞれの立場から、あるいは立場を超えて連携し、アジアの魅力の発露を改めて考えるところから始めたい。(遠山香澄)

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※当ページの内容は、2005年3月31日発行の創刊4号に掲載されたものです。

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