フォーラム福岡

九州の観光戦略が動き出す九州国立博物館写真

実現に向け動き出した九州観光推進の実行部隊

2005年6月30日発行の創刊5号より

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ワンポイントビュー

九州観光戦略の実行部隊である九州観光推進機構は、海外のターゲットを中国・韓国を中心とした東アジア、国内は東京・大阪・名古屋の3大都市圏のアクティブシニア(元気な中高年層)に絞り、活発なPR活動やキャンペーンを展開している。

九州の豊かな観光資源を国内外へ情報発信

九州観光推進機構の事業推進の決定機関である「理事会」は各界代表19人の錚々たるメンバーで構成されている。なお、九州地方知事会の麻生渡会長、九州・山口経済連合会の鎌田迪貞会長、九州観光連盟等連絡協議会の明石博義会長、九州運輸局の与田俊和局長の4人による「顧問制」を設けている。

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既存観光地

しかし実際に動くのは、福岡市中央区天神一丁目の福岡三和ビル6階の事業本部に常勤する23人のスタッフだ。九州7県や民間会社からの出向の寄り合い所帯だが、「いずれも精鋭ばかり」(村山紘一事業本部長)「他県や他社が第一線の人材を出向させているので、右へならえの傾向になったのだろう」(田中浩二会長)。

実行すべき49の施策には1号の「観光関連の規制緩和・特区、地域再生計画への取組」から49号の「九州統一観光統計の整備」まで全部番号がふってある。それをひとつ一つ着手して実行していかねばならない。特に36ある短期計画(アクションプラン)は向こう3年間で実行しなくてはいけない。しかも着手・実行だけでなく持続しなくては意味がない。仕事柄、海外や九州各県、3大都市圏への出張が続く。いくら精鋭とはいえ23人では、ネコの手を借りたいほどの忙しさだ。

中国、韓国への積極的なキャンペーン展開

15号施策の「観光案内所のレベルアップ」では、九州の主要交通拠点である福岡国際空港の観光案内所の拡充から手を着けた。4月までは、どちらかといえば福岡県中心の案内所だったが、オール九州の観光案内に切り替えた。専任の案内係も英語と韓国語が話せる人間を配置、365日体制にした。さらに通訳のボランティア制度も活用している。

海外PRの第1号は5月13日、中国の北京で教育関係者を集めた修学旅行の説明会である。これは34号「東アジアの修学旅行客の誘致促進」の実行だ。この施策では、「教育関係者の招へい」と「修学旅行PR媒体の制作」を行う。4月からすでに中国の教育関係者6団体を九州に招いて、ハウステンボス、太宰府、日産自動車の九州工場などを含むコースを視察体験してもらっている。メディアを通じた九州の認知度向上のため、中国の革命家・孫文とその活動を支えた宮崎滔天兄弟などとの友情・交流を素材にしたテレビ番組の制作を中国に働きかけている。

また、6月2日から4日間、韓国のソウルで開催された「第18回韓国国際観光展示会」に出展、田中会長自らも参加し、九州を一体として観光PRを行った。4日間に9万人も集まるほどの韓国最大の国際観光展であり、わが国からは北側国土交通大臣も出席した。

歴史・文化をテーマにした広域観光ルート

5月末には九州の歴史と文化をテーマとした「広域観光モデルルート」15ルートを開発、5月下旬から6月上旬に福岡、名古屋、大阪、東京の旅行会社の商品企画担当者向けに説明会を行い、タイアップを呼びかけた。8月には、すでに開発中の35ルートを新たに加えて、50ルートにする予定だ。そして、10月からは、この開発ルートに基づいた「第1回ウェルカム九州キャンペーン」を展開する。

この観光モデルルートでは、いずれも2県、3県にまたがる2泊3日の広域ルートで「感動がある。物語がある。九州」「歴史・文化を掘り下げる蘊蓄(うんちく)の旅」のタイトルがついている。

例えば「国博と日本防衛ラインを歩く」ルートは、福岡空港|九州国立博物館(太宰府市)|二日市温泉または原鶴温泉(泊)|水城跡(大野城市)|国営吉野ケ里歴史公園(三田川町・神埼町)|嬉野温泉または武雄温泉(泊)|唐津城・鏡山・虹の松原(唐津市)|元寇防塁(福岡市)|福岡空港、という行程だ。

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高千穂峡

また「肌で感じる高千穂の峰」は、熊本空港|神話街道・二上神社(五ヶ瀬町)|高千穂神社|高千穂町(泊)|天岩戸・天の安河原・高千穂峽|霧島神宮・高千穂の峰|霧島温泉郷(泊)|鹿児島神宮(隼人町)|鹿児島空港、という具合に2県以上にまたがっている。

この広域観光ルートは、さらに来年度、再来年度もそれぞれ50ルートを開発し、短期アクションプランの開発数は150ルートになる予定だ。( 渋 田 哲 也 )

感動と物語の九州――歴史・文化を掘り下げる蘊蓄の旅

●神話・伝説)二つの天孫降臨の地に学ぶ 
―肌で感じる高千穂の峰―
コース:宮崎県(五ヶ瀬町、高千穂町)⇒鹿児島県(霧島町、隼人町)
●神話・伝説)平家落人伝説
―それからの平家物語―
コース:福岡県(北九州市)⇒大分県(竹田市)⇒熊本県(山都町、御船町)⇒宮崎県(椎葉村)
●古代ロマン)九州国立博物館と装飾古墳
―国博で学び、現地へ―
コース:福岡県(太宰府市、八女市)⇒熊本県(玉名市、菊水町、山鹿市)
●古代ロマン)九州国立博物館と国営吉野ヶ里歴史公園
―国博と日本防衛ライン―
コース:福岡県(太宰府市、大野城市、福岡市)⇒佐賀県(基山町、三田川町、唐津市)⇒長崎県(壱岐市)
●歴史)西南戦争(鹿児島―熊本)
―隆盛の足跡を追って―
コース:鹿児島県(鹿児島市)⇒熊本県(人吉市、八代市、熊本市、玉名市、植木町)
●仏教・神道)千年浪漫、豊後の国に仏教文化を訪ねる
―九州の精華、「六郷満山」と臼杵石仏群―
コース:大分県(宇佐市、豊後高田市、安岐町、臼杵市、杵築市)
●風土・風習)柳田国男「後狩詞記」をひもときながら
―民俗学発祥の地―
コース:熊本県(阿蘇市、南小国町)⇒大分県(竹田市)⇒宮崎県(椎葉村)
●歴史遺産)石の文化(石橋)…かけがえのない歴史遺産
―石のアーチが群れている―
コース:熊本県(東陽村、美里町、山都町)⇒大分県(宇佐市)
●キリシタン)西海の天主と御堂巡礼 その1(長崎・島原・天草)
―神よ、何故沈黙されるのか―
コース:長崎県(長崎市、雲仙、南有馬町)⇒熊本県(天草町、河浦町)
●九州の諸街道)長崎街道の旅?
―長崎街道はシュガーロード―
コース:長崎県(長崎市、諫早市)⇒佐賀県(塩田町、武雄市、小城町、佐賀市)⇒福岡県(筑紫野市、飯塚市、北九州市)
●陶磁器)九州やきもの紀行
―日本陶磁の源流を訪ねて 西九州編―
コース:熊本県(天草町)⇒佐賀県(有田町、伊万里市、唐津市)
●陶磁器)九州やきもの紀行
―日本陶磁の源流を訪ねて 南九州編―
コース:鹿児島県(日置市、加治木町、鹿児島市)
●文学)九州の万葉の故地を歩く
―まほろばの九州―
コース:福岡県(福岡市、太宰府市、稲築町)⇒熊本県(八代市)⇒鹿児島県(薩摩川内市)
●詩歌・俳句)“恋の華”柳原白蓮と“炭坑王”伊藤伝右衛門
―世紀の恋の物語り―
コース:福岡県(飯塚市、東峰村)⇒大分県(日田市)⇒熊本県(荒尾市)
●産業遺産)近代産業遺構(その3)(主として建物巡り)
―近代建築史にふれる―
コース:長崎県(長崎市、諫早市)⇒佐賀県(有田町、武雄市)⇒福岡県(福岡市)
●祭りイベント)雛の里・ヒナの宴 
―今日も楽しいヒナマツリ―
●祭りイベント)冬の九州灯りの祭典 
―ともしびも春めいてー

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※当ページの内容は、2005年6月30日発行の第5号に掲載されたものです。

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