フォーラム福岡

福岡の近未来図

オリンピック招致に向け官民一体による推進母体が誕生

2006年5月21日発行の10号より

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ワンポイントビュー

日本オリンピック委員会(JOC)へのオリンピック開催地としての正式立候補に先立ち、産学官に加えて、市民団体も参画した招致推進のための母体が誕生した。九州・沖縄・山口圏内の自治体、スポーツ協会・団体、経済団体・企業、市民団体など327の組織で構成された福岡・九州オリンピック招致推進委員会の取り組みには期待と注目が集まる。

博多どんたくでオリンピック招致をPR

好天に恵まれた今年のゴールデンウィーク期間中において、約220万人の人出を数えた「博多どんたく港まつり」―――。820年余りの伝統をもつ「博多松囃子」を起源として、1962年に福岡市民の祭りとなって45回目を迎えた今回の博多どんたく港まつりは、「実現させよう!!福岡・九州オリンピック」をサブテーマとして打ち出し、華々しく開催された。


博多どんたく港まつりでは、
どんたく隊でオリンピック招致をPR

博多どんたくの目玉であるどんたく隊パレードでは、先陣を行く博多どんたく港まつり開催役員やミス福岡らが乗ったオープンカーで「実現させよう!!福岡・九州オリンピック」を打ち出し、さらに地元青年会議所メンバーらで組織したオリンピック招致をアピールしたどんたく隊も登場、沿道に詰め掛けた観光客や一般市民から熱い声援を受けた。

博多どんたくのお祭り本舞台となった福岡市役所西側広場では、オリンピック招致に向けた地元青年会議所メンバーらによる署名活動が熱心に取り組まれる姿も見られた。

博多どんたく・港まつりを主催する福岡市民の祭り振興会会長の田尻英幹・福岡商工会議所会頭は、開催にあたって「今年で45回目という節目を迎える博多どんたくは、2016年のオリンピック招致に向けて、『実現させよう!!福岡・九州オリンピック』をサブテーマに掲げ、機運を盛り上げてまいります」とのコメントを出している。

また、福岡市民の祭り振興会名誉会長の山崎広太郎・福岡市長は、「21世紀にふさわしい新しいオリンピックのあり方を提案し、九州から世界中に夢と感動を広く伝えるようなオリンピック開催の実現を目指し、機運を盛り上げてまいりたいと考えております」とのあいさつの言葉を寄せた。

産学官と市民団体等で招致推進の母体が誕生

今年3月4日・福岡市役所15階大ホール――、九州・沖縄・山口の自治体、市・県議会、スポーツ・競技団体、経済団体・企業、市民団体などの関係者ら約280人が福岡・九州へのオリンピック招致を目指して、福岡・九州オリンピック招致推進委員会を設立した。昨年10月に発足した福岡・九州オリンピック招致検討委員会を発展させる形で誕生した福岡・九州オリンピック招致推進委員会は、設立趣意において、「オリンピック開催に向け、九州一体となった取り組みを展開することによって、九州全域の活力の向上と飛躍的な発展を目指し、ひいては日本の多様性と活力を創出したい」と謳う。席上、会長に鎌田迪貞九州・山口経済連合会会長を選出、さらに推進委員会の経費はすべて企業・団体などの民間で賄うことも明らかにした。

福岡・九州オリンピック招致推進委員会は、福岡県・福岡市・北九州市などの九州・沖縄・山口内における70の自治体、30の県・市議会議長、福岡県体育協会・福岡市体育協会をはじめとする各スポーツ協会・連盟など95のスポーツ・競技団体、九州・山口経済連合会をはじめとする55の経済団体・企業、さらに地域関係・学校関係・医事関係などの77の市民団体・その他による合計327団体で構成されている。

福岡・九州オリンピック招致推進委員会では、専門的な立場からの意見、助言、プロモーションへの協力を得るためにオリンピック招致アドバイザーを任命している。福岡ソフトバンクホークス監督の王貞治さん、アトランタとアテネのパラリンピックで金メダルを獲得した福岡市職員の梶原紀子さんら7人だ。

海外メディア向け会見で、世界に福岡をPR

福岡市が日本オリンピック委員会(JOC)へのオリンピック開催地として正式に立候補を表明した4月24日の記者会見では、山崎広太郎・福岡市長とともに福岡・九州オリンピック招致推進委員会の鎌田会長、副会長を務める麻生渡・福岡県知事と末吉興一・北九州市長も出席、九州一体で招致に取り組んでいる姿をアピールした。会見には、制作総指揮者の磯崎新氏も駆けつけ、集まった約200人の報道陣に理念を語った。

翌25日、在京の海外メディアを対象に東京都千代田区のフォーリンプレスセンターで海外PRのための記者会見を開く。海外の新聞社や通信社などの記者ら約50人が出席した会見に福岡・九州オリンピック招致推進委員会幹事長の久保長・福岡県体育協会会長、同事務局長の長沼慶也氏、磯崎氏が顔をそろえ、熱心な質疑応答がなされた。

オリンピック招致がもたらす意味を考える


福岡・九州オリンピック招致委員会の発足式

「福岡であの感動を〜五輪招致への道〜」というタイトルで、福岡青年会議所は4月14日、福岡・九州オリンピックに関するパネルディスカッションを開いた。

席上、講師として招かれた日本オリンピック委員会の中森康弘オリンピック招致推進室長は、「2016年に向けては、新たな開催都市の提案が求められている。私としては、今の福岡の状況に期待したい。結論的に言えば、21世紀型の新たな提案をすることで、オリンピックを日本に招致できるのではないかと考えている」と、発言した。

また、長野オリンピックの招致活動に取り組んだ塚田芳樹・元長野青年会議所理事長は、「『手をつなぎ、長野に呼ぼう、冬季五輪』というキャッチフレーズを作り、4万4000人を動員し、手をつないで長野県内を結んだりもした。選考委員の現地調査では、何千人もの市民を動員して横断幕を掲げたり、笛を吹いたりするなど、街中でアピールを続け『長野は燃えている』ことを印象付けた」と、エールを送った。

一方、今年5月24日、福岡スポーツ振興事業財団では、国際オリンピック委員会委員の岡野俊一郎・日本サッカー協会名誉会長を講師に「オリンピックムーブメントの目指すもの」との演題でスポーツ講演会を開催。主催者側では、「福岡オリンピックの招致にあたって、まちづくりの視点から論じられることが多く、スポーツの立場から論じられる事が少ない」と指摘する。

2016年夏季オリンピックの国内候補都市が決定するのは8月30日だ。この間に招致に向けた市民からワンコイン500円募金活動や総決起大会の開催、自転車リレーによる東京へのキャラバンなどの構想やアイデアも今後、動き出す。福岡・九州へのオリンピック招致に向けた取り組みやイベントが開かれる一方、疑問を呈する声や反対運動も当然起きている。今回のオリンピックをめぐる一連の動きを契機に、招致の是非に留まらず、われわれが住む街のあり方、今後市民として歩んでいく上での方向性や戦略を考える時期に来ているともいえる。(近藤益弘)

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※当ページの内容は、2006年5月21日発行の10号に掲載されたものです。

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