アイランドシティの活路は21世紀の「出島」を目指せ
2004年6月25日発行の創刊予告号より
博多ー上海間の定期高速貨物船の就航に象徴される
国際物流都市・福岡の港湾機能
博多港の位置とファンクション機能が福岡を西の拠点に押し上げる
博多港の国際コンテナ定期航路数、コンテナ取扱量ともに《右肩上り》を続けている。消費地を抱える都市型港湾に、荷が集まる傾向が強まっており、国内主要港湾で最も中国に近いことも見逃せない。博多―上海間では高速貨物船のシャトル運航を始め、内・外航、トラック、鉄道、空港との連携で機能も発揮し出した。
アイランドシティの活路は、西日本のゲートウエーとしての21世紀の「出島」ではないだろうか。

博多ー上海間に定期高速貨物船が就航
「我々も博多に来て気付いたんですが、地元の人は東京と上海がこんなに近いという博多港の持つ財産に気付いていない。東京の人には博多の延長上に上海、上海の人には同じく東京という大消費地があることを認識してもらうことが大切。博多港に入れば 、東京、大阪を基本に全国に繋がっている」(白石俊彦・日本通運福岡海運統括支店長)
日本通運は住友商事、商船三井、上組の4社で「上海スーパーエクスプレス(SSE)」を設立、昨年11月から博多―中国・上海間の定期高速貨物船を運航している。現在、所要時間は26時間半で、博多発は水・土曜日の週2便 。貨物を積んだトラックを車体ごと輸送する貨 物専用のRORO(ロールオン、ロールオフ)船を使用。コンテナ便に比べ、積降時間が迅速化され、貨物へのダメージも少ない。博多―東京、博多―沖縄間は既にRORO船が就航し、博多―釜山間は7月からニューカメリアがデイリー サービス運航する。博多港を結節点にして、東西南北に結ぶコンテナ貨物サービスが5月から始まった。この「ハカタ・クロス・サービス」は、それぞれ個別に提携されていた各航路輸送サー ビスを運航各社が連携し、国内外一貫輸送サービスにしたもので、従来より、短時間・低コスト・小口対応での輸送が可能となった。
博多には、内航RORO船、コンテナ船、トラック(高速道路)、鉄道、空港など各種輸送モードが集まり、すべてのアクセスポイントが30分圏内にある。東京―上海では、工場間のコンテナ輸送がそれまでの10日間から、航空機使用(3日間)に近い3・5日―4日に短縮された。

EUではフェリーとともに主流のRORO船
RORO船はアジア域内では、まだ浸透していないが、EU域内ではフェリーとともに主流となっている。
フェリーと違い貨物専用のため、海上コンテナをはじめ、JR貨物コンテナ、大型機械類まで、柔軟に対応できる。特に、トラックのヘッドを外したシャーシを利用した輸送のため、コンテナ船よりスムーズな荷役、トラック(ヘッドを付けるだけ)、鉄道、フェリーへの積み替えができる。
これに着目したのがJR貨物。同社は約6万5千個を保有する鉄道輸送主力の12フィートコンテナを、外航海運にも使えれば輸出入貨物を小ロットで扱え、港湾で積みかえる手間と時間も省ける。外航海運と国内鉄道を小型コンテナで一貫輸送する体制整備に乗り出し、博多―上海間のRORO船とJR貨物の鉄道輸送を直結した輸送ルートが誕生した。
同社の狙いは日中間で増えている航空輸送貨物のシフト。約10分の1の輸送費をテコに輸入品では家電製品やゲーム、アパレル製品、機械部品など、輸出品では工作
機械や電子部品、自動車部品などの取り込みに懸命だ。
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※当ページの内容は、2004年6月25日発行の創刊予告号に掲載されたものです。
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