新幹線がもたらす地域新時代
2004年6月25日発行の創刊予告号より
韓国高速鉄道「KTX」ー日韓航路「ビートル」ー
九州新幹線「つばめ」による日韓交通インフラ
つばめ・KTXの登場で地域社会がどう変わっていくのか!
九州新幹線つばめと韓国高速鉄道KTXが相次いでデビューした。現時点においては九州新幹線は鹿児島―新八代の部分開業、韓国高速鉄道はソウル―釜山の暫定開業ながら、全線開業に向けてのスタートを切った。九州と韓国における二つの《新幹線》の誕生が、地域社会にもたらすインパクトを踏まえて、新たな地域社会の構築に向けた今後の可能性を探る。

ソウルへの未来旅行、二つの《新幹線》で結ぶ旅
2013±X年Y月、鹿児島市に住む鉄道マニアの新羅九州男(仮名)さんは、休日を利用して全線開業したばかりの九州新幹線の早朝便に乗り込み、ソウルを目指す。
定刻通りに鹿児島中央駅を発車した九州新幹線・つばめは、快調に走り続け 、気がつけば約50分で熊本駅に到着していた。余りの時間的な短さに拍子抜けしつつも、新幹線の登場で都市と都市、地域と地域が近づいた事実を認めざるを得ない気がした。
つばめはさらに北上を続け、筑紫 平野を最高時速260キロで走り抜け、出発してわずか1時間20分で博多駅に滑り込んだ。新しく建て替わった博多駅ビルを背に、新羅さん(仮名)は、タクシーに乗り込み、博多港中央埠頭の国際ターミナルに向かう。ターミナルに着くのももどかしく、乗船手続きを済ませ、ビートルに飛び乗った。

就航して約20年経つビ ートルは、九州新幹線と韓国高速鉄道の全面開業で利用者が増えたとの新聞記事は見ていたものの、たしかに平日にも関わらず、乗船客は多かった。ビートルは荒波の玄海灘を飛ぶように走り、わずか3時間足らずで釜山港に着いた。

通関手続きを終え、ターミナルを出ると、時刻は正午前だった。タクシーで釜山駅に向かう。そして、専用線での全面開通した韓国高速鉄道KTXに乗り込んだ。
テレビや新聞で目にしていたが、KTXに乗るのは初めてだった。車内に乗り込むと、つばめより狭く感じられた。周りを見渡すと、日本人とおぼしきビジネスマンの姿もチラホラ目にする。ほどなく発車し、窓辺には外国ながら日本とよく似た街並みがあり、不思議さを憶えた。市街地を抜けるとスピードを増し、車内の電光表示板は時速300キロを表示した。
発車して約30分で列車は慶州に到着した。古都・慶州は歴史的遺物も多く、2004年に在来線利用の暫定開通となったのも仏教界と環境保護団体が専用線建設に反対したためだった。そんな出来事を思い浮かべつつ、列車は一路ソウルを目指して走る。そして、乗車して2時間弱でソウル駅のホームに降り立った。駅前の広場に立つと、近代的な高層ビルが立ち並び、街はハングルにあふれ、韓国語が飛び交っていた。手元の時計の針は2時を指しており、「 ソウルは近い。九州と韓国は一体だ」と、新羅さん(仮名)は思いをあらたにした。
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※当ページの内容は、2004年6月25日発行の創刊予告号に掲載されたものです。
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