アジアとの関係を考えるキーワード
『韓流ブーム』『留学生』『中華シティ』…
2005年3月31日発行の創刊4号より
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留学生
急増するアジアからの留学生
ーー求められる多文化共生のまちづくり
福岡県内には4726人の留学生が学ぶ(2004年5月時点、福岡地域留学生交流推進協議会調べ)。10年前に比べて、2・6倍もの急増ぶりだ。留学生の実に94・4パーセントがアジアからの留学生となっている。なかでも経済成長著しい中国からの留学生は3417人と全体の72・3パーセントを占める。
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多文化の留学生が指摘するフクオカの○と×

「『ニューズウィーク』で福岡はアジアで一番住みやすい街と紹介されていたことも福岡を選んだ理由のひとつ」と、2004年度の九州大学留学生会会長を務めたムハマド・アズィッズさん(インドネシア出身)は語る。ムハマドさんが通う九州大学は1118人の留学生が学ぶ福岡県内では最多の受入校だ。
様々な国や文化圏からの留学生が集まっているだけに「彼らをまとめるのは大変」と率直に語るが、「まず、人に相談することが解決のきっかけとなる」と力説する。その上で留学生から多く寄せられる要望として「インターンシップやアルバイト探しでハンディーがある」と指摘する。
このうちインターンシップに関して、福岡県インターンシップ推進協議会の中原淳二・参事事務局次長は、「大学によって留学生へのインターンシップの浸透度合いや取り組みが異なる傾向がある。また、インターンシップそのものについて、日本企業と各国からの留学生との間では感覚的なズレがみられる」とコメントする。留学生も含めた市民レベルでの国際交流をこれから本格化させていく状況では、相互理解の姿勢が今後、一層重要になっていく。

「日本で学んだ造船技術を母国で生かしていきたい」と、自らの夢を語るソー・ジー・ファ・サムエルさん(シンガポール出身)も同じく九州大学工学部で船舶海洋システムを学ぶ留学生だ。
異郷で暮らす留学生の立場から「福岡には留学生向けの色々な設備やガイドブックはある」と評価する半面、「実生活の場では言葉や文化の壁によって、住む場所を捜すことから大変だった」と振り返る。滞在5年目のソーさん自身は、「四季があり、温泉や美しい風景がある日本で生活し、色々な国の留学生と出会い、自分の考え方が広がった」。
その一方で、一昨年東区で発生した一家殺人事件後、中国人留学生の間から「アルバイト探しが大変になった」という声があったのも事実だ。また、アジアからの留学生からは、「日本人は、欧米からの留学生を優遇し、アジアからの留学生を見下す傾向がある」という厳しい指摘もある。
今後求められる多文化共生の都市戦略
《アジアの交流拠点都市》をめざす福岡市の10年後の望ましい姿として、「多くの市民が、留学生の受入や、地域交流などを通じて、外国の人々とふれあいながら、生活しています」(福岡市 新・基本計画)を掲げる。実現に向けて、多大な努力と尽力が必要となる。
中国の経済発展に象徴されるアジアの経済成長、その一方で少子高齢化、産業の空洞化などによって日本の地位が相対的に低下していくなか、経済分野をはじめ人的、文化的交流などを通じて、アジアとのつながりを広めて、深めていくことは、アジア圏における福岡/九州の存在感を高めることにつながる。
事実、中国・上海では、福岡への留学経験がある留学生OBらが組織をつくり、地場企業の中国進出や九州への観光誘致に向けてのスタッフやアドバイザーとして活用していこうとする取り組みもある。
今後求められる『多文化共生型の都市づくり』を目指して、外国人にとっても住みやすく、活動しやすいまちづくりを目指し、市民や企業が異なる文化への理解を進め、アジアとのつながりを深めていく上で、彼ら留学生の存在はひとつの試金石となる。(近藤益弘)
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※当ページの内容は、2005年3月31日発行の創刊4号に掲載されたものです。

