フォーラム福岡

福岡の未来を決める 新「福岡空港」空港写真

「新」福岡空港めぐり本格始動
市民のみなさんもご意見をお寄せ下さい

2005年3月31日発行の創刊4号より

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福岡とアジアをつなぐ最も重要なインフラである福岡空港を、もっと便利に利用できるようにするにはどうすればいいかーー。福岡県・市と国ではPIという新しい手法を用いながら、福岡空港の具体的な将来像を描き始めた。目標は2007年の次回交通政策審議会、そして09年の羽田拡張「終了後」だ。

PIの「ステップ1」今年7月からスタート

国は2002年12月の交通政策審議会航空分科会の答申の中で、福岡空港について「将来的に需給が逼迫するなどの事態が予想される」という認識を示し、今後については「幅広い合意形成を図りつつ 、国と地域が連携し総合的な調査を進める必要がある」とした。

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福岡空港の総合的な調査体制

この答申を受けて2003年11月に福岡県と福岡市による「福岡空港調査委員会」が立ち上がり、さらに国(九州地方整備局、大阪航空局)と調査委員会との間で「福岡空港調査連絡調整会議」を設置。ここで福岡空港の将来を決めるための調査を行い、その内容について市民や経済界などから幅広く意見を集めるPI(パブリック・インボルブメント)が行われることになった。

福岡空港のPIは、4つのステップで進められる。

「ステップ1」は今年7月から9月にかけて実施される予定で、設定されたテーマについてPIレポートの配布▽見学会▽インターネットでの情報公開▽説明会▽懇談会ーーなど様々な方法で市民や周辺自治体、経済界、市民団体などから意見を集め、同時に周知を図る。

このPIの最終目標は、地域の総意に基づいて、2002年の答申に示された次の「3案」を比較・検討することだ。

  1. 現福岡空港の能力向上
  2. 近隣空港(佐賀、新北九州)との連携
  3. 新空港、滑走路増設などによる抜本的な空港能力向上

現段階でこのPIの結論をいつまでに出すかという具体的なスケジュールは提示されていない。しかし、国の空港政策の流れを見ると、方向性が見えてきそうだ。

次回交通政策審議会は07年 それまでに方向性を

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ワンポイントビュー

これからの空港整備の動きは左図の通りで、09年度の羽田空港第4滑走路の完成後の計画は今のところない。空港整備計画はこれまで5年ごとに交通政策審議会航空分科会に諮問され、その答申を受けて社会資本整備重点計画として策定され、閣議決定されてきた。現在の計画(03〜07年度)は02年12月に答申され、03年10月に決定された。

従来のスケジュールでいけば、次の空港整備計画(08〜12年度)は07年4月に諮問され、同年12月の答申を受けて決定の運びとなる。

つまり、福岡空港の整備計画を羽田拡張後の09年から始めるためには、06年度中には福岡空港の総合的な調査を終え、「3案」の方向性を出しておかねばならないということだ。

PIそのものは、当初は各ステップ1年程度をかけると見られていたが、4年かけていたのでは08年までかかり、07年の諮問には間に合わない。果たしてペースアップされるのか?

3案に「最適解」なし あなたはどれを選ぶ?

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3案図

今年2月の福岡空港調査委員会で、委員の中から「3案の中にすべての問題を解決する最適解はない。その中で各ケースで何が可能となりデメリットにはどのようなものがあるのかを整理しておく必要がある」との指摘があった。そこで、3案それぞれについて詳細を確認しておこう。

現空港の能力向上

国(大阪航空局)による指摘のひとつに、滑走路占有時間の短縮がある。
南側から海方向に着陸する到着機が、現在は滑走路の北側末端近くまで地上走行しているが、途中の誘導路からスポットに入れば1機あたりの滑走路占有時間を短縮できる、というものだ。

こうした運用見直しや設備の更新などをエプロンやターミナルなどでも行い、全体として空港の処理能力を高めるというのが、この案の趣旨だ。仮に将来、新空港を建設する場合でも、完成するまでの期間を乗り切るために実施する必要があるだろうといわれている。

近隣空港との連携

福岡空港の周辺には佐賀空港と、2006年3月開港予定の新北九州空港がある。現在、福岡空港が抱えている機能の一部を佐賀や新北九州に振り分けることによって、福岡空港のキャパシティに余裕を持たせようというもの。

この案の最大のメリットは、新たな投資を必要としない点にある。ただし、具体的にどのような機能を振り分けるかとなると、課題が多い。

中部国際空港が、「ワンフロア・ワンストップ」をウリとして全国から利用者を集めようとしている状況の中で「機能分担という考え方自体が時代に逆行している」との指摘もある。

新空港、滑走路増設などによる抜本的な空港能力向上

3番目の案のうち、現空港で滑走路を増設するケースのメリットは、現在のアクセスが維持される点だが、 、 案のケースと同様に、騒音や安全面での課題や高さ制限の問題は解決されない。

こうした都市問題を抜本的に解決し、なおかつ本格的な国際空港として地域経済・社会の発展の推進役となる空港とするには、やはり新空港の整備・移転ということになる。広大な現空港跡地を有効利用できれば福岡の都市機能を強化することにもつながる。

新空港建設となれば、どこにつくるにしても避けて通れないのが環境問題。十分な環境調査に基づく立地選択が必要となるのは言うまでもないが、環境問題だけに注目するのではなく、「現在の空港が抱えている事故の危険性、すなわち人の命が大事であることも忘れてはならない」という指摘もある。

この案が実現するためのポイントは、大きく二つ。

ひとつは、数千億円にのぼる事業費をどうするか。福岡空港クラスの場合は設置者は国だが、最近は地元が応分の負担をするという流れがあり、関西国際空港や中部国際空港でも地元自治体や経済界が事業費の多くを負担している。果たして福岡で事業費を捻出できるかどうか。そしてそれを市民が納得できるか。

そこでもうひとつのポイントが、新空港を整備することによって、だれもが納得できる地域の未来図を描けるかどうか、だ。

現在の福岡という都市は、福岡空港の存在が、その発展に大きく貢献していることは論議の余地はない。しかし、アジアとの交流が深まり、自動車や半導体、さらには観光などの産業によって新しいステージを目指す福岡・九州にとって、限界に達した現在の福岡空港が、その発展を阻害する要因になりはしないか。そうならないためには、福岡空港はどうあるべきか。そしてそのためには、どのくらいの費用がかかるのか。数千億円が将来の負担となるのか、新しい都市の資産形成への有効な投資となるのか、慎重な判断が必要になってくる。(神崎公一郎・宮崎仁士)

福岡空港の調査に関わる「PI」の流れ

ステップ1
目標=福岡空港の能力・課題・空港に求められる政策目標を共有する。
テーマ=・福岡空港の現状と課題
    ・空港能力の見極め
    ・空港利用者の視点に立った航空サービスの評価基準

ステップ2
目標=地域の将来像と福岡空港の将来需要などについて情報を共有し、意見を十分に把握する。
テーマ=・航空需要の将来予測
    ・地域の将来像と福岡空港の役割

ステップ3
目標=「3案」ごとに考えられる対応策を整理する。その選択のための評価の視点を共有する。
テーマ=・評価の視点
    ・各方策(3案)ごとの対応策のメニュー
    ・検討すべき複数の対応策(3案の組み合わせ)

ステップ4
目標=対応案を比較検討し、結果について認識を共有する。方向性(案)を作成し、包括的に確認する。
テーマ=・対応策(3案の組み合わせ)の評価と比較結果
    ・福岡空港の方向性(案)

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※当ページの内容は、2005年3月31日発行の創刊4号に掲載されたものです。

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