国内線の停滞を尻目にアジア航路が活況
2005年3月31日発行の創刊4号より
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福岡空港の国際線で運行再開や増便が相次ぎ、九州・山口――韓国間の日韓航路も利用者が急増、アジア航路が再び活況を呈している。テロやSARS(新型肺炎)の影響で運休していた定期運行の復活と需要が期待される路線への再編が要因。いずれも九州各地からの観光客に加え、ビジネス客の取り込みに力を入れている。
増便相次ぐ福岡空港国際線
貨物の急増で貨物専用機への積み替えも
現在、福岡空港の国際路線は世界11カ国・地域23都市25定期路線で週往復334便(3月27日〜10月29日)。前年同期より同42便、前期冬季ダイヤと比べても24便増加している。
いずれもテロやSARSで運休を余儀なくされていたマレーシア航空が昨年11月から、クアラルンプール線を週2便から3便に増便して1年半振りに、ガルーダ航空も今年3月3日からデンパサール線を2年4カ月ぶりに再開した。中国東方航空が昨年10月末から上海線を1日1往復から2往復に増やしたのを始め、シンガーポール航空もシンガポール線を週5便から毎日便に、中国南方航空も路線を再編して広州―桂林線を週4便から毎日便に、中国国際航空も北京線の直行便を再開するとともに、福岡|上海|成都線を週4便から毎日便に増便した。

福岡―上海が日帰り可能に
中でも 、中国東方航空が福岡―上海の日帰りを可能にしたダイヤ改正がビジネス客に注目されている。それまでの福岡発午後1時15分、上海発午前9時の往復便に、福岡発午前10時、上海発午後6時――の往復便が加わった。福岡―上海間の飛行時間は約1時間半で、時差が1時間あるため、最大7時間半、滞在できる。ちょっとした商談ができるほか、上海での滞在時間を長くする便の組み合わせもできるため、例えば4泊5日の観光旅行が3泊4日と1日短く周れるメリットもある。
同航空福岡支店によると、増便の利用率はまだまだ認知度不足のため、50%程度だが、これから夏のシーズンに向かうので認知度を上げていくことで70%を目指しているという。また、福岡が九州地区の玄関口であると同じように、上海も中国側の玄関口であり、国内の百数十路線と乗り継ぎが便利なハブ空港である。このため、観光、ビジネス双方に期待を寄せている。
福岡空港から中国10都市への路線の中で、上海便は 乗降客数が約20万8000人と圧倒的に多い。福岡市は福岡県などと一緒に、早ければ5月にも上海に駐在員事務所を開設し、中国企業の投資や誘致活動に取り組むことにしている。山崎広太郎福岡市長は、福岡から午前8時、9時台に出発し、夜戻る「日帰り圏内」を持論としている。
増便の背景に貨物の急増も
01年の米国同時多発テロや、03年のSARS、イラク戦争などで、世界的に航空会社の業績が悪化。もともと需要の少ない九州マーケットだけに、福岡の国際便は休止に追い込まれた。そのため、福岡空港の過去5年間の国際線利用者は00年の約250万人をピークに、01年約217万人、02年約221万人、03年約174万人と低落傾向だったが、04年は約217万人と復調気配だ。
また、福岡空港は観光客だけでなく、成田・関西空港に次ぐ貿易の拠点で、貿易額は年間1兆円を越える。半導体などの部品や映像機器、生鮮食品などを輸出し、逆に 生鮮食品や音響機器を輸入している。これらは貨物専用機ではなく、旅客機の貨物スペースを利用して運ばれる。この貨物需要も増便の背景にある。
このため、福岡空港国際線の駐機場は緊急時用を除いて9ヵ所あるが、午前9時から同11時の間は、出発機と到着機が重なり、ほぼ満杯状態。この時間帯の新たな増便はできない状態だ。貨物の急増で貨物専用機への積み替えも考えられている。(神崎公一郎)
韓流ブームとゴルフ熱が追い風の日韓航路
近年、急増する日韓間の渡航者数は、年間で約400万人あまりに達すると言われている。空路とともに海路でも往来に関して、九州経済圏内・外を含めた日韓全体を結ぶフェリー乗客について昨年初めて100万人の大台を突破したとみられている。
一方、九州経済圏内においても九州運輸局がまとめた昨年1年間の九州・山口―韓国の日韓航路における旅客輸送実績は、対前年比29・05パーセント増の86万1548人となった。内訳は日本人が42万3413万人、韓国人が42万4832人でそれぞれ39・24パーセント、20・45パーセントとともに大幅な伸びをみせ-る。このような大幅な伸びをみせた要因として、九州運輸局では「前年度同期にイラク戦争やSARS(重症急性呼吸器症候群)による影響で輸送人員が大幅に減少したことの反動、高速旅客船の1隻増配およびフェリーの代替建造、日本人の韓流ブームおよび韓国人のゴルフブームが増加要因と考えられる」としている。
日韓航路、「見通し良好なれど、波高し」
九州(含む山口県下関市)と韓国を結ぶ旅客定期航路(除対馬航路)の7社3航路があり、フェリー3隻・高速艇8隻が就航している。
近年旅客数を伸ばす博多―釜山間にはカメリアラインのニューかめりあ、JR九州のビートル2世とビートル3世、韓国高速海運※(※は韓国企業、以下同)のジェビとジェビ2、未来高速※KOBEE(コビー)とKOBEEとKOBEEのフェリー1隻・高速艇7隻が就航している。博多―釜山間を高速艇によって3時間弱で結ぶ地の利の良さを生かして、博多港は10年連続で外国航路の船舶乗降人数で全国一の地位を保持している。航空路を含めた外国航路としても全国5位の座にある。
今年、航路開設100周年を迎える下関―釜山間には関釜フェリーのはまゆう、釜関フェリー※の星希によるフェリー2隻体制で運行している。さらに歴史的にも地理的にも韓国に近い対馬では、厳原と比田勝―釜山間に大亜高速海運※の高速艇であるシーフラワーが就航している。
一見好調が続く日韓航路だが、運休・撤退を余儀なくされた会社もあるのも事実だ。武星海運※は2002年4月小倉―蔚山間に、2003年5月小倉―釜山間にビートルの約2倍の旅客定員を持つ高速艇のドルフィン、ウルサン号を就航させた。九州・山口県のテーマパークやゴルフ場を組み合わせたパック商品なども開発したが、旅客数は振るわず、昨年4月ともに運休している。
日本人の冬ソナブームや韓国人のゴルフ熱などの追い風で、マーケットとして急拡大する日韓航路だが、その一方で競争も激しさを増しており、「天気晴朗なれど、波高し」の観があるのも事実だ。日韓国交正常化40周年にあたる今年は日韓友情年2005として、さまざまな交流事業や文化紹介事業を通じ、日韓のさらなる相互理解と友情を深める取り組みがなされる。たしかに国間レベルでは竹島問題などの国際問題があるものの、市民レベルでの国際交流においてアジアにおける九州/福岡という視点での国際戦略が必要となる。日韓航路は国際交流の大きな財産であり、より一層有効に活用していく《舵取り》が求められる。(近藤益弘)
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※当ページの内容は、2005年3月31日発行の創刊4号に掲載されたものです。


