フォーラム福岡

「伊都国」に九大がやってきた

2005年10月1日発行の創刊7号より

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類まれな自然と歴史に恵まれた地に開校

ワンポイントビュー

九州大学の新キャンパスは、福岡市・天神の都心部から都市高速を利用すれば約30分、福岡市西区の元岡・桑原地区から志摩町、前原市にまたがる丘陵地である。

志摩町の7割が玄界灘に面し、年間を通じて海に沈む夕日を見ることができる。「日本の夕陽一〇〇選」にも認定されている。海岸沿いのサンセット・ロードには、お洒落な店が建ち始め、サイクリングコースやドライブコースとしても人気である。海水浴場やゴルフ場も整い、パラグライダーやサーフィンなどのマリンスポーツ、釣りを楽しむ人も多い。農林水産業の町でもあり、野菜類や魚介類などの食材が近くの「朝市」、「夕市」、「産直市」で手に入る。陶芸や染色、木工などの作家や都会の喧騒を離れ、別荘地を手に入れた人たちが移り住んでいる。

中国の史書「魏志倭人伝」に記された「伊都国」があった地域でもあり、歴史と自然に育まれてきた。従来であれば、大学キャンパスの立地にはおよそ不似合いな所であった、と言える。

新社会システムの実証実験が始まる

そこに、九大新キャンパス移転の第1陣として、先端的な研究に取り組む工学系の一部が10月1日、開校した。この後、理学系・文系、農学系の順に移転し、最終的な移転完了は2020年ごろになる見込み。最先端研究を核に産業と地域社会と直結、新しい社会基盤づくりが九大学研都市構想である。

新キャンパスでは、新社会システムの実証実験が始まっている。まず、水素エネルギーを地域熱供給に利用する「水素キャンパス構想」で、キャンパス内には水素供給のパイプラインが張り巡らされ、冷暖房や学内循環バスの燃料としても使われる。

2つ目は「全学ICカード導入プロジェクト」で、九大で開発した新しい個人認証システムを利用したICカードを学生・教職員に発行、建物の入館管理や図書館の利用、証明書発行等に応用する。将来は地域の企業や商店にも対象を広げ、買い物や食事も同じ1枚のカードで済むようにする。

大城桂作・工学研究院長は「大型プロジェクトに対応できるように、研究教育棟の3割を共有スペースとして、研究に活発な人ほど自由に利用できるようにした」と言う。産学連携の「鉄鋼リサーチセンター」や官学の連携施設である「水素材料先端研究センター」(仮称)といった計画も目白押しである。(神崎公一郎)

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※当ページの内容は、2005年10月1日発行の創刊7号に掲載されたものです。

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